ステンレスの表面仕上げは、表面にどのような加工を施したか、どのように見えるかを表します。代表的な選択肢には、2Bや光輝焼鈍によるミル仕上げ(鋼材製造時の仕上げ)、No. 4やヘアラインなど方向性のある仕上げ、反射性の高い鏡面仕上げ、装飾的な質感があります。PVDなどの着色処理も、表面仕様を決める際の選択肢です。
特注の間仕切り、壁面パネル、ディスプレイフレームでは、選んだ仕上げが完成した部材でどのように見えるかが重要です。仕上げ名称を出発点に、研磨目、反射、色、製作詳細まで確認することで、外観を具体化できます。
ステンレスの仕上げ名称に前提の確認が必要な理由
仕上げを表す名称は、異なる体系に由来します。ミル仕上げの状態、番号で示す研磨仕上げ、供給元独自の名称、装飾加工は、それぞれ異なる内容を表していても、一緒に列挙されることがあります。
資料『Metal Finishes Manual』では、一般に知られるASTM A480の仕上げ記号と、ヘアラインやエンボスなどの名称を区別しています。よく使う名称をすべて一つの共通規格の記号として扱うと、仕様の記述が不十分になる場合があります。
米国のプロジェクトでは、適用される材料規格を別途特定したうえで、実際の金属製品に求める外観を合意してください。以下の表は、一般的な用語を実用的な観点で比較したもので、プロジェクト仕様書に代わるものではありません。
ステンレス表面仕上げの比較表
横にスクロールすると、3列すべてを比較できます。
| 仕上げ・名称 | 代表的な外観 | プロジェクトで確認すべき点 |
|---|---|---|
| No. 1 | 光沢が乏しく、比較的粗い熱間圧延面。 | その面が見える状態で使われるか、さらに仕上げを施すか。 |
| 2D | 光沢の乏しい冷間圧延のミル仕上げ。 | そのミル仕上げの外観が、求める見た目に合っているか。 |
| 2B | グレーの光沢を帯びた、滑らかなミル仕上げ面。 | 最終的な表面として使うか、後加工の出発状態とするか。 |
| BA、光輝焼鈍 | 明るく、反射性のあるミル仕上げ。 | 必要な反射の程度と、その後に行う加工。 |
| No. 3 | 研磨材を用いた中間段階の研磨仕上げ。 | さらに仕上げを施す予定があるか。 |
| No. 4 | 方向性のある研磨目が見える仕上げ。 | 見える各部材の研磨目の外観と向き。 |
| ヘアライン、HL | 細く長い、方向性のある研磨目。 | 供給元の具体的な参考資料と、設置時の研磨目の向き。 |
| サテン | 柔らかな光沢。名称が表す内容は供給元によって異なります。 | その名称が意図する実際の外観。 |
| 鏡面(指定がある場合はNo. 8) | 反射性の高い研磨面。 | 仕上げの呼称と、合意した反射の見え方。 |
| エンボス | 成形による表面模様や凹凸。 | 模様の大きさ、向き、端部や折返し部の処理。 |
ミル仕上げと研磨仕上げの基本的な説明は、worldstainlessの表面処理に関する解説およびSSINAの建築用ハンドブックにまとめられています。サテンなど外観を表す名称は、用語の使い方が異なる場合があるため、特に注意が必要です。関連する解説:英国ステンレス鋼協会.
ステンレスの2B仕上げとBA仕上げの比較
2BとBAはいずれもミル仕上げです。2Bは、冷間圧延、熱処理、酸洗いの後に、研磨したロールで最終的に軽く圧延した表面です。BAの反射性のある表面は光輝焼鈍によって得られ、ENの用語では一般にこの状態を2Rと呼びます。これらの工程は、BSSAの表面仕上げ概要で説明されています。
BAは一般に2Bより明るい外観ですが、光沢のあるミル仕上げ面と、機械研磨による鏡面は、異なる工程で得られます。反射が写っている写真だけでは、どの工程を用いたかは分かりません。
加工して製作する金属製品では、成形部、接合部、見える端部をどのように処理するかを相談してください。加工前の板材の表面を選ぶことは、完成時の外観を定める一要素です。
No. 4、ヘアライン、サテン仕上げの比較
No. 4は、方向性のある研磨仕上げとしてよく知られています。ヘアラインは細く長い研磨目を特徴とします。サテンは見た目の特徴を表す名称で、供給元によって異なる仕上げ工程に使われる場合があります。これらの用語は好みを伝える助けになりますが、すべての供給元で同じ表面を意味するわけではありません。
見積書に「SB」と記載されている場合は、その表示がどの工程と外観を指すのか、供給元に確認してください。
FABRITERAでは、ステンレスのブラッシュ仕上げ参考資料とヘアラインの参考資料を別々に紹介しています。この選定用ライブラリでは、ブラッシュ仕上げは方向性のあるNo. 4やサテン系の仕上げを、ヘアラインは細く連続する長い研磨目の外観を示します。
比較する際は、線の目立ち方や連続性、設置後の部材との関係を見てください。縦向きの間仕切りパネルと横向きのフレーム部材では、研磨目について異なる指示が必要な場合があります。
研磨材の粒度番号だけでは、最終的な外観は定まりません。研磨材の種類や仕上げ条件も重要です。この点は、BSSAの機械仕上げに関する解説でも指摘されています。必要な工程の説明に加え、仕上がりの外観も合意してください。
鏡面、No. 8と商業上の呼称「8K」
資料『SSINAハンドブック』では、No. 8を、段階的な研磨とバフ研磨によって、それ以前の研磨目をほぼすべて取り除いた、反射性の高い仕上げと説明しています。
FABRITERAでは、仕上げ仕様を合意する際に、「鏡面」「No. 8」と商業上の呼称「8K」が何を指すかをお客様と確認します。鏡面の選定用参考資料を自動的に8Kと呼び替えることはなく、これらの用語が同一の仕上がりを表すものともみなしません。
大型の装飾部材では、重要な視点位置と反射面の範囲を確認します。曲げ部、溶接部、別々の部材の間で、仕上げをどのようにつなげるかを相談してください。鏡面仕上げの参考資料ライブラリは、その相談に向けて外観の方向性を定める助けになります。
ステンレスのPVD仕上げとは?
PVDはphysical vapor deposition(物理蒸着)の略です。装飾用PVDコーティングは、下地の表面の特徴を残しながら、金属的な色合いを加えることができます。資料『Metal Finishes Manual』では、下地の模様が見える薄い蒸着着色膜について説明しています。そのため、質感と色は併せて検討する必要があります。
装飾的な質感を加えることで、平坦で方向性のある表面や反射面以外にも選択肢が広がります。エンボス模様は凹凸を、エッチングは部分的な模様を、バイブレーション仕上げは多方向の外観を生み出します。これらの選択肢を比較できるライブラリ:FABRITERA表面仕上げライブラリ.
ビーズブラストでは、反射が少なく方向性のない表面を作ることができます。その外観はブラスト材と工程によって変わります。その例は、Euro Inoxのステンレス表面仕上げガイドに示されています。必要な処理を相談する際は、ビーズブラストとサンドブラストを区別してください。
FABRITERAのプロジェクトでは、仕上げ、質感、色を、合意する外観のそれぞれ別の側面として確認します。「ゴールド」は色の方向性を表しますが、要件には意図する研磨目や反射も示す必要があります。コーティングに特定の性能を求める場合は、提案されている製品構成について確認が必要です。
加工した部材の仕上げを選ぶ
仕上げの比較は、具体的な部材と結び付けることで、より役立つものになります。図面や参考画像を出発点に、その金属製品に求める見た目の役割を明確にしてください。
対象となるスクリーン・間仕切りでは、研磨目で高さを強調するか、各フレーム部材に沿わせるか、複数のパネルでそろえるかを検討してください。各側から見える面を明示してください。
対象となる建築用金属化粧被覆では、隣接するパネル、折返し部、見える端部の関係を検討してください。ディスプレイフレームでは、特によく見える面と、ガラスなどの異素材との接合部を明確にしてください。
製作詳細に関わる部分で、計画する仕上げをどう処理するかを確認してください。どの溶接部が見える状態になりますか。折返し端部にも正面と同じ外観が必要ですか。接合部をまたいで模様をつなげますか。こうした問いによって、製作品に含める範囲を明確にできます。
材料の鋼種、厚さ、使用環境、メンテナンス要件は、プロジェクトで別途決める事項です。反射性のある仕上げや装飾的な色だけで、屋外への適合性が決まるわけではありません。Outokumpuの建築分野向けガイドでは、環境に適した鋼種を選ぶ重要性を示しています。
よくある質問
2Bのステンレスは、ブラッシュ仕上げのステンレスと同じですか?
いいえ。2Bはミル仕上げを表します。ブラッシュ仕上げや方向性のある研磨面の外観は、追加の表面加工によって生まれます。研磨目が見える仕上がりを求める場合は、「2B」だけで伝えず、その外観を指定してください。
ステンレスのサテン仕上げは、必ずNo. 4ですか?
いいえ。サテンは外観を表す用語で、供給元によって異なる場合があります。SSINAでは、No. 4より反射が少ない別の仕上げとして、No. 6のソフトサテン仕上げも説明しています。サテンとNo. 4を同じ意味で使わず、意図する表面を確認してください。
ステンレスの表面仕上げで、材料の鋼種が決まりますか?
いいえ。仕上げと鋼種は別々の選択項目です。材料の鋼種と厚さは、部材とその使用環境に応じて確認する必要があります。
好みの仕上げを、明確なプロジェクト要件にするにはどうすればよいですか?
選んだ外観、色、見える面、研磨目の向きを明確にします。そのうえで、使用する参考基準を生産前に確認します。当社のステンレスの仕上げと色の確認ガイドでは、この次の手順を詳しく解説しています。
特注金属製品の仕上げを相談する
FABRITERAは、お客様の図面、CADファイル、完成予想図、参考画像を基に、特注ステンレス製品と建築用金属製品を製造します。合意したデザインの方向性に沿って、製作詳細を具体化します。
仕上げの参考資料をご覧になったうえで、プロジェクトの詳細を、概略寸法、数量、ご希望の表面仕上げコードがあればそれも添えてお送りください。計画する製品について、仕上げと色の参考基準、材料、製造要件を確認します。
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